眩むような夜に、
たとえば……私の好きが、両手いっぱいだとして。あいつは、どれくらいだったんだろう。
ゼロじゃあ寂しいけれど、あいつがこの場に来ていないことが何よりの証明になってしまっている。
しぼんでいくばかりで、どれだけ待っても満ちない気持ちに、まだ夢を見ていた。
「呼び出したの、君だもんね」
「……。ああ、あんた、あいつのスマホ見たんだっけ」
大事な話があります──何度も書いては消してを繰り返して、悩んだ末にそう切り出したメッセージは、恐らくこの先どれだけ待ったとしても、彼の手で開かれることはない。
だらだらと未練だけで続くこの関係に終止符を打つことさえ許されないのだとしたら、私はあとどれくらい待てばいいのだろう。
もう十分すぎるほど待ったよ。期待させるだけさせといて裏切るなんて、残酷だよ。