カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
「安心しろ。なにもかもが初めてだ。出張中に毎日女性のことを考えていたのも、時間が空いたから誰かのもとに帰ろうなんて考えたのも」

持ち上げられた顔に、彼の綺麗な唇が近づいてくる。

触れる寸前にニィッと艶やかに歪んで、清良の平静を打ち砕く。

「今晩はどんな初めてを君に捧げようか」

総司の色めいた声にこれはまずいと直感した。

せっかく美味しそうな夕食が並んでいるのに、このまま寝室に連れていかれてしまいそうだ。

彼との夜を思い出し、ボッと頬が赤く染まる。

「あの……夜ご飯、食べなくちゃ……冷めてしまいます……」

逃げるように一歩後ずさると、追いすがってきた彼に優しく抱きすくめられてしまった。

「上等なメインディッシュが目の前にあって、我慢がつらい」

「メ、メインディッシュは、北京ダックでは……??」

「もっと美味しいものが今この腕の中にある」

私を食べるおつもりなんですね……と清良は涙目であうあうする。

そんな妻の初々しいリアクションに、総司は困ったように笑った。


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