カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
ぶんぶんぶんと大きく首を横に振る。ない、ない、興味なんてありません!

そんな清良の様子を見て、総司は目を爛々と輝かせて身を乗り出す。

「意外だな。清良がカジノに興味を持つなんて。遊ぶ分にはかまわないが、あまりのめり込み過ぎないことだ。ああいうのは、誰が勝つか決まっている。下手に手を出すとカモられるぞ」

なんでそんなに詳しいの!? と凍り付く。まさかカモられたご経験が……とはさすがに聞けない。

「城ケ崎財閥の嫁がカジノで浪費なんて週刊誌に書かれないでくれよ!」

あっはっはとお腹を抱えて笑う総司の正面で、清良はひくひくと口元を引きつらせていた。笑えない! それ、全然笑えないよ……! 

「まぁ、中国でなくてもいい。アメリカでもヨーロッパでも。もし行きたいところがあるなら考えておいてくれ。すぐにとはいかないが、たまには旅行くらい連れていきたいと思っているから」

ふと優しい目になった総司に、清良は箸を止める。

総司との契約は、家で大人しくお留守番をしていること。……なのに、どんどん契約範囲から逸脱して、まるで本物の夫婦に近づいていっているみたいだ。

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