カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
急いで玄関を出ると、すでに車は横づけされていた。
運転席から出てきたのは、ピシッとしたブラックのスーツを身に纏った、神経質そうな眼鏡の男性。
「おはようございます、清良奥様」
電話では何度かやり取りさせてもらったが、顔を合わせるのは初めて。
通話でさえ「几帳面そうな方だなぁ」と感じたが、会ってなおその印象を強くした。お辞儀の角度からして計ったような四十五度。
「私が総司さんの第一秘書を務めさせていただいております、真鍋と申します。実際にお会いできて光栄です」
「は、初めましてっ、妻の清良と申します! すみません、まだ朝の支度もできていなくて……そうだ、総司さんっ!」
すっかり起こすのを忘れていたことを思い出し、寝室のほうを振り返る。今頃、まだベッドで安らかな寝息を立てていることだろう。
「総司さんは、まだお休みに?」
「すみません、すぐに起こして――」
「あ、いえ。急がずとも結構ですよ。同じ轍は踏みません。本日はプランBを練ってまいりましたから」
「……はぁ」
よくわからないことを言って真鍋はにっこりと笑う。
運転席から出てきたのは、ピシッとしたブラックのスーツを身に纏った、神経質そうな眼鏡の男性。
「おはようございます、清良奥様」
電話では何度かやり取りさせてもらったが、顔を合わせるのは初めて。
通話でさえ「几帳面そうな方だなぁ」と感じたが、会ってなおその印象を強くした。お辞儀の角度からして計ったような四十五度。
「私が総司さんの第一秘書を務めさせていただいております、真鍋と申します。実際にお会いできて光栄です」
「は、初めましてっ、妻の清良と申します! すみません、まだ朝の支度もできていなくて……そうだ、総司さんっ!」
すっかり起こすのを忘れていたことを思い出し、寝室のほうを振り返る。今頃、まだベッドで安らかな寝息を立てていることだろう。
「総司さんは、まだお休みに?」
「すみません、すぐに起こして――」
「あ、いえ。急がずとも結構ですよ。同じ轍は踏みません。本日はプランBを練ってまいりましたから」
「……はぁ」
よくわからないことを言って真鍋はにっこりと笑う。