カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
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また寝坊するとは。らしくない行動に、総司は乱れた髪をくしゃっとかきあげる。
普段なら四時間程度眠れば充分。ショートスリーパーというやつだろう。なんなら飛行機の中で軽くシートを倒すだけでいい。
それがどうしたことだろう、七時間も熟睡したあげく、彼女がベッドを出たことにも気づけないとは。
入眠の儀――清良と一緒にする例の運動のことだ――が激しすぎるのか、あるいは彼女の温もりに安心しきってしまうのか。
自分でも驚くほど深く寝入ってしまう。おかげで目覚めはとんでもなく爽快だ。
眠っている間に着信があったのだろう、点滅している携帯端末を握りしめ、ひとまず一階のリビングに向かう。
真鍋にどう言い訳をしようか、そんなことを考えながらドアノブに手をかけたとき。
「わ、私は大丈夫ですからっ!」
リビングから清良の慌てた声が聞こえてきて、眉根を寄せた。
電話でもしているのだろうか。だが、次に聞こえてきた男の声に、総司は平静さを失う。
「すぐに冷やしましょう。清良さんの綺麗な指に傷ができたら大変だ」
バン!と勢いよくリビングの扉を開け放つ。