カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
これは一体何の嫌がらせか。

そう感じながらも、自分の妻に知らぬ男が触れている姿は気持ちのよいものではなかった。

どうしようもない苛立ちに、思考をクールダウンさせるべく息をつく。

十中八九、男が無理やり清良の腕を引いているところを写真に撮らせたのだろう。

その後、彼女は無事だったのかという疑問については、夕べの彼女の様子から見て問題なかったと考えていいだろう。

それにしても、この男が清良のことを追いかけ回しているのだとすれば問題だ。

護衛をつけたほうがいいか?と首を捻る。

なにより、自分の所有物に勝手に触れられることがこれほどまでに腹立たしいとは。総司の中で初めて湧き上がった感情だった。

「……わざわざお越しくださりありがとうございます。ですが、鞠花さん。私はこの写真以上に妻を信じている」

手元の写真を勢いよく破り捨てる。

バラバラと床に散らばっていく写真の切れ端を目で追いかけながら、鞠花は焦った顔で腰を浮かせた。

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