カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
「総司さんは、好き嫌いもありませんし、アレルギーなども特にございませんから、なんでもかまわないと思いますよ」

「そう……ですか……」

なんでも。一番困る回答をもらって、さらに深く悩み始める。でも、アレルギーがないと聞けたのはよかった。

清良が苦悩していると、そんな姿が微笑ましかったのか真鍋は今度こそ笑みをこぼした。

「ご本人に聞くことはしないのですね」

「えっ……」

しまった、と清良は蒼白になる。夫の食の好みを知らないなんて異常だし、本人に聞けないのはもっとおかしな話だ。

他人行儀な夫婦と思われてしまったかもしれない。いや、実際その通りなのだけども。

「あの……これは、その……驚かせたかった、と言いますか」

もし「何が食べたいですか?」と聞いたなら、その好意は総司の重荷になるだろう。

ただ大人しく留守番をしている、夫の帰りなんて期待せずマイペースに生きる、これが総司の望む妻の姿だから。

「夫の好みを知らないなんて、お恥ずかしい限りですが……」

「彼は異常なほどワーカーホリックですからね。これまでたいしたデートもできなかったのでしょう」

しゅんと落ち込んだ清良を真鍋はフォローしてくれる。

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