カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
「天羽さん……この前は乱暴なことをして本当に悪かったよ。鞠花にも叱られたんだ。もう城ケ崎さんの奥さんなんだから、関わっちゃいけないって」
北村の手が細い鉄柵を握り締めており、動くたびにガチャンという重たい金属音が鳴り響く。決して開かない扉だとわかっていても、びくりと震えた。
「わかったから……大丈夫。もう家には来ないで欲しいの。なんのおもてなしもできないし」
「ごめん。すぐに帰るから。お詫びといっちゃなんだけど、これ……受け取ってくれる?」
「ありがとう。でも気持ちだけ受け取っておく」
北村の顔が曇る。あの日、清良を睨みつけた憎々しげな目を思い出し、ぞくりと背筋が凍る。
「せっかく持ってきたんだから、受け取ってくれたっていいだろ。じゃないと捨てることになる」
掲げた白い紙袋には、有名なスイーツブランドのロゴが入っていた。確かマカロンや焼き菓子が有名なパティスリーだ。
「それはお菓子? だったら会社の人や鞠花と一緒に食べて。せっかくだけど、私はいらないから――」
「それは……困る」
北村の声がわずかに緊張したのを感じ取って、嫌な予感を覚える。
なにか……まだなにか彼は隠しているのではないだろうか。謝罪以外の目的を。
北村の手が細い鉄柵を握り締めており、動くたびにガチャンという重たい金属音が鳴り響く。決して開かない扉だとわかっていても、びくりと震えた。
「わかったから……大丈夫。もう家には来ないで欲しいの。なんのおもてなしもできないし」
「ごめん。すぐに帰るから。お詫びといっちゃなんだけど、これ……受け取ってくれる?」
「ありがとう。でも気持ちだけ受け取っておく」
北村の顔が曇る。あの日、清良を睨みつけた憎々しげな目を思い出し、ぞくりと背筋が凍る。
「せっかく持ってきたんだから、受け取ってくれたっていいだろ。じゃないと捨てることになる」
掲げた白い紙袋には、有名なスイーツブランドのロゴが入っていた。確かマカロンや焼き菓子が有名なパティスリーだ。
「それはお菓子? だったら会社の人や鞠花と一緒に食べて。せっかくだけど、私はいらないから――」
「それは……困る」
北村の声がわずかに緊張したのを感じ取って、嫌な予感を覚える。
なにか……まだなにか彼は隠しているのではないだろうか。謝罪以外の目的を。