カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
議員はうんうんと納得の様子で頷いており、総司の提案に心から賛同しているようだった。
しかし、鞠花は違う。日本を離れるなんて、彼女からしてみたらとんでもないことで――。
「冗談じゃない! 私、英語なんて……!」
できない、そう言おうとしたのだろうけれど、人前で恥を晒すことを躊躇い口を噤む。
総司はしたり顔で鞠花を見下ろす。日本を出て一から出直してこい、そんな思惑を滲ませながら。
「ちょうどいいじゃないか。英語くらい嫌でも身につく」
「ふざけないで! それじゃあ単なる島流しじゃない!」
半狂乱になった鞠花を落ち着かせようと、議員は両肩をしっかりと抱く。
「なんてことを言うんだ鞠花! いいかい、このスクールは上流階級の令嬢のみ入学を許された特別なスクールなんだ。城ケ崎さんは、鞠花のことを考えてわざわざ入学を斡旋してくださったんだぞ!?」
「勝手なこと言わないで! 絶対に嫌よ!」
父親の腕を振り払い、逃げ出す鞠花。
会場はもはや騒然としていた。会話はすべて筒抜けで、予想もし得ない親子喧嘩に誰もがこそこそと囁き合っている。
そんな中、総司はそっと清良の肩を抱き、会場の出口へ向かった。
しかし、鞠花は違う。日本を離れるなんて、彼女からしてみたらとんでもないことで――。
「冗談じゃない! 私、英語なんて……!」
できない、そう言おうとしたのだろうけれど、人前で恥を晒すことを躊躇い口を噤む。
総司はしたり顔で鞠花を見下ろす。日本を出て一から出直してこい、そんな思惑を滲ませながら。
「ちょうどいいじゃないか。英語くらい嫌でも身につく」
「ふざけないで! それじゃあ単なる島流しじゃない!」
半狂乱になった鞠花を落ち着かせようと、議員は両肩をしっかりと抱く。
「なんてことを言うんだ鞠花! いいかい、このスクールは上流階級の令嬢のみ入学を許された特別なスクールなんだ。城ケ崎さんは、鞠花のことを考えてわざわざ入学を斡旋してくださったんだぞ!?」
「勝手なこと言わないで! 絶対に嫌よ!」
父親の腕を振り払い、逃げ出す鞠花。
会場はもはや騒然としていた。会話はすべて筒抜けで、予想もし得ない親子喧嘩に誰もがこそこそと囁き合っている。
そんな中、総司はそっと清良の肩を抱き、会場の出口へ向かった。