カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
触れるだけの優しいキス。この行為がただの欲情ではなく、愛情であると今ならわかる。

口づけを交わしたあと。すっかり火照ってしまった唇を、名残惜しげにゆっくりと離す。

赤く潤んだ清良の瞳。総司の黒瑪瑙の瞳も熱く昂り、収まりがつかない顔をしていて。

「さて。そろそろ我慢ができないんだが。君の身体を奪ってもかまわないだろうか?」

情欲は愛の延長線上。そう理解してしまった清良は、これ以上先延ばしにするなんて残酷なことができるわけない。

総司は首筋と背中に手を添えて、清良の身体を丁寧にベッドへ横たえた。理性的な愛の囁きから一転、貪欲な獣のように清良の上に覆い被さる。

「……総司さんったら。結局はそればっかり」

思わずクスリと笑ったが、今ではそれがなんだか嬉しい。

「愛しているよ、清良。心も身体も、俺に溺れるといい」

強欲な愛の言葉を吐いて、乱暴にその唇を奪う。今度は優しいキスではない、お互いを煽り昂らせるための激情にかられたキスだ。

「どうか総司さんも、私に溺れて……」

清良の懇願に、彼は艶やかな笑みで応え、その身に愛を刻み込んでいった。





――END――
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