カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
清良は自分の胸元を見下ろして、カッと頬を熱くする。

いつの間にか毛布がはだけて、真っ白な肌が、柔い双丘が、あらわになっていた。

「食べてくださいといわんばかりだ。美味しそうな色をしている」

彼が口をニィッと開いて白い犬歯を覗かせる。

清良は慌てて毛布を手繰り寄せ胸を隠した。

「で、でも、すでに一度見たんじゃありませんか、私の服を脱がせたときに! 今さら見たって――」

「さすがに服を脱がせるときは女性スタッフに頼んださ。コルセットを脱がせてとしか頼まなかったから、別の服を着せてあげようなんて気遣いはなかったみたいだが」

そこはちゃんと頼んで欲しかったと、ちょっぴり恨めしげに彼を睨んだ。が、彼は気にした様子もなく、鼻歌でも歌いそうなほど上機嫌だ。

「……あるいは、俺が食べやすいように、わざと脱がせたままにしておいてくれたのだろうか」

彼が毛布の上から、清良の胸を、腰を、太ももを、その曲線に沿って撫でる。

もう気まぐれという言葉だけでは片付けられない程の濃蜜な触れ合い。

「思わせぶりな身体のラインをずっと見せつけられて、正直、平静を保つのが大変だった。この毛布を剥ぎ取りたくてうずうずしていたんだが……まっとうな口実ができて助かった」

< 33 / 262 >

この作品をシェア

pagetop