カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
(この人のこと……信頼しても大丈夫な気がする)
身体を重ねてしまったせいだろうか、情が移ったとでも? 今では彼が自分を守り導いてくれる、特別な男性に見える。
いずれにせよ選択権はない。清良は、身体を重ねてすぐに「はいさようなら」と言えるような器用な人間ではない。
この流れに身を任せるしかない、そう覚悟を決めた。
.・.*†*。◆◇◆.・.*†*。◆◇◆.・.*†*。・.
結婚の準備が整った。結婚式は未定だが、早々と入籍だけは済ませ、天羽清良は城ケ崎清良となった。
あの歌劇場での出会いから三カ月が経ったある土曜日の朝、院瀬見家の屋敷にて。
すべての事情を聞かされた鞠花は激怒していた。
胸元の大きく空いたロングドレスをはためかせながら、周囲に当たり散らす。
「どういうことなのよ!!」
客間に、ガシャン、と茶器の割れる音が響く。
激昂する彼女の姿を、清良は正面のソファに座ってじっと見つめていた。
「どうしてあんたとあの方が結婚するのよ!」
いきり立つ鞠花がシュガーポットを掴み手を振り上げるが、脇に立っていた男性が投げつける寸前で止めてくれた。北村という名の男だ。
身体を重ねてしまったせいだろうか、情が移ったとでも? 今では彼が自分を守り導いてくれる、特別な男性に見える。
いずれにせよ選択権はない。清良は、身体を重ねてすぐに「はいさようなら」と言えるような器用な人間ではない。
この流れに身を任せるしかない、そう覚悟を決めた。
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結婚の準備が整った。結婚式は未定だが、早々と入籍だけは済ませ、天羽清良は城ケ崎清良となった。
あの歌劇場での出会いから三カ月が経ったある土曜日の朝、院瀬見家の屋敷にて。
すべての事情を聞かされた鞠花は激怒していた。
胸元の大きく空いたロングドレスをはためかせながら、周囲に当たり散らす。
「どういうことなのよ!!」
客間に、ガシャン、と茶器の割れる音が響く。
激昂する彼女の姿を、清良は正面のソファに座ってじっと見つめていた。
「どうしてあんたとあの方が結婚するのよ!」
いきり立つ鞠花がシュガーポットを掴み手を振り上げるが、脇に立っていた男性が投げつける寸前で止めてくれた。北村という名の男だ。