カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
そんなリアクションを予期していた総司は、くつくつと喉の奥で笑う。

「奥ゆかしいのは君の美徳だが、それが男を煽り立てていると自覚したほうがいい」

清良の身体をベッドの上まで運びマットに埋める。

その上に覆いかぶさって、猛々しい黒瑪瑙の目をギラリと光らせる。

清良は目の前の男性が、早くも欲情してしまったことにただただ驚く。

初めて新居に主人を迎え入れるにあたって、秘書の真鍋から好みを聞き出し、好きなワインやおつまみ、お夜食なども用意したのだが。段取りがめちゃめちゃだ。

「ずいぶん遅くなってしまったが。新婚初夜を始めようか」

「総司さ――んぅっ……」

一方的に宣言して勝手に初夜を始めてしまった総司に、文句を言おうとして……失敗した。

あっさりと唇を塞がれ、何の反論もできぬままその身を暴かれる。

清良の衣服を一枚一枚剥ぎ取って、彼自身もスーツを後ろ手に脱ぎ捨てていく。

ふたりの間を阻むものがなくなっていくにつれて、清良の心は嬉しいような、苦しいような、なんともいえない高揚感に堕ちていく。

罪悪感たっぷりの快楽に蝕まれていった。

「……なん……で……?」
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