カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
不意に彼が身体を起こした。清良と真正面から向かい合って、唇を近づける。

「俺の手で満たされる妻の姿が見たい」

その瞬間、彼の指先が清良の敏感な部分を探り当て、ひどい快楽をもたらした。

ひとつ啼き声をあげた清良に「そう。それだ」と満足げな表情でキスをする。

「総司さんも……勘違いしないでくださいね……?」

悔し紛れに清良も主張する。

決して、男なら誰でもいいというわけではない。

彼がお金持ちだからとか、見た目がカッコいいからとか、そんな軽薄な理由でもない。

自分は総司の妻になるのだと、覚悟を決めてここにいるのだから。

「私だって……誰とでもこんなことするわけじゃありませんから。夫とだけですから」

総司は吹き出す。一体どんな警告が飛んでくるかと思えばと、くつくつ笑う。

「それは……仕事として? それとも女として?」

「それは……」

「いや、言わなくていい」

答えようと開きかけた口に、慌てて唇を押し付けて制止する。

「……聞くのはやめておく。制御できなくなりそうだ」

一体何を?と疑問に思った清良だが、尋ねる前に理性を奪われた。

たいして男の身体を知らない初心な清良を満足させるなんて、総司にとっては造作もないことだったのかもしれない。


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