カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
日の出を眺めながら今後のことを話し合おう、そう約束したはずなのに。
彼は七時を過ぎてもまだ目を覚まさない。
朝早くお仕事と言っていたけれど、大丈夫だろうか? 何時に起こせばよいか、聞いておけばよかった。
清良は彼の寝顔を見つめながら、妻としてどうすべきかそわそわしていた。
きっと疲れているのだろう。昨日海外から帰ってきたばかりで、もしかしたら時差ボケがあるのかもしれない。
しかも、夜更けまであんな激しい運動をして……。
疲労度でいえば清良が上だが、先に目が覚めてしまったのは、男性の腕枕という特殊な状況下でぐっすり眠り続けることなんてできなかったからだ。
最低限の睡眠だけ補うと身体はすぐに覚醒してしまった。
おかげで、総司の安らかな寝顔を堂々と見つめられる権利を得たわけだが。
閉じられた瞳。引き結ばれた唇。整いすぎた寝顔に再び惚けそうになる。
見れば見るほど、彼の魅力に気づいてしまう。身体を重ねた数だけ、ますます平静でいられなくなる。
自分の中で膨らんでいく総司という存在。それとも本当に身体の関係に溺れているだけなのだろうか。
(こんな感情……知らない……)
間違っても恋に落ちないようにしなくては。それは彼の望むところではない。