カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
とにかく朝の支度を整えようと、清良はこっそりとベッドを抜け出してリビングに向かった。

今日は日曜日。総司は土日も関係なく仕事だそうだが、清良にとっては休日。気が楽だ。

朝食を作ろうと冷蔵庫を開くと、真鍋から聞き出して準備した総司の好物が並んでいた。

夜食にと思っていたが、食べるタイミングを逃してしまった。

かといって、このまま腐らせてしまうのはもったいない。せっかくだから、これらの食材を使ってサンドイッチでも作ってみようか。

高級チーズと生ハムを、玉子フィリングとともに食パンに挟む。バジルチキンを薄くスライスしてトマトやレタスと一緒にクラブハウスサンドに。

八時に近づいた頃、ようやく目を覚ました総司がリビングに顔を出した。

シャツの前が開いたまま。胸板がもろ視界に入ってきて、清良はすかさず目を逸らす。スラックスだけはちゃんと履いていてくれてよかった。

視界の端で彼をチラ見すると、額に手を当てて憂鬱そうにうな垂れていた。

「……寝坊した……」

どうやら原因は寝過ごしたことにあるらしい。

携帯端末を耳に当てて「すまないが、車を自宅まで回してくれ」と指示を出している。相手は秘書だろうか?
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