chocolate of midsummer〜遅咲きのバレンタイン〜
八月、真夏の太陽が照りつける中、あたし藍原瑠夏(あいはらるか)は重い足取りで音楽室へと向かう。今日も部活だ。でも、日に日に歩く足取りが重くなっている気がする。
「おはようございます」
あたしが音楽室のドアを開けると、一年生の後輩が「おはようございます!」と元気よく挨拶し、三年生の先輩は「おはよう」と笑う。あたしは合唱部に入っている。男女問わず仲がいい部活で有名なんだけどーーー。
「……」
ある一人の男子生徒と目があった刹那、その男子はわざとらしく顔を背けた。あたしは傷付きながらも何もないフリをする。
「まだ喧嘩中なんだ……」
「去年の冬からだよね……」
先輩や後輩の言葉が突き刺さる。本当はあたしだってこんな気まずい関係、すごく嫌だ。でも素直に謝るなんてできない。向こうも悪いじゃんって思っちゃう。
「そろそろ練習始めるよ〜!!」
部長の一言で全員が立ち位置につく。あたしとその男子も何もないように歩き出した。
「おはようございます」
あたしが音楽室のドアを開けると、一年生の後輩が「おはようございます!」と元気よく挨拶し、三年生の先輩は「おはよう」と笑う。あたしは合唱部に入っている。男女問わず仲がいい部活で有名なんだけどーーー。
「……」
ある一人の男子生徒と目があった刹那、その男子はわざとらしく顔を背けた。あたしは傷付きながらも何もないフリをする。
「まだ喧嘩中なんだ……」
「去年の冬からだよね……」
先輩や後輩の言葉が突き刺さる。本当はあたしだってこんな気まずい関係、すごく嫌だ。でも素直に謝るなんてできない。向こうも悪いじゃんって思っちゃう。
「そろそろ練習始めるよ〜!!」
部長の一言で全員が立ち位置につく。あたしとその男子も何もないように歩き出した。
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