【修正版】午前8時のシンデレラ
私が瑠偉さんのアシスタントになってから、嫌がらせをしてくる人はたくさんいる。
でも、今は犯人探しをしている場合じゃない。
もう会食の時間まで一時間もないのだ。
どうする?どうすればいい?
気持ちばかりが焦る。
とりあえず、受話器片手に業者リストと睨めっこした。
だけど、何度見たって同じだ。
松花堂弁当を五十個すぐに用意出来るとこなんて見つからない。
時間だけが無情に過ぎていく。
頭はもうパニックだ。
ああ、きっと朝から瑠偉さんにあんな事して罰が当たったんだ。
唇を噛みながら途方に暮れていると、杉本くんが声をかけてきた。
「東雲さん、どうしたんですか?顔真っ青ですよ。まだ体調良くないんですか?」
「体調は良くなったんだけど、来客用のお弁当が手違いで届かなくなちゃって」
彼の質問に答えながらネットで弁当屋を探す。
「来客ってロシアの関係者でしょう?それはマズいですね。お弁当っていくつ必要なんですか?」
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