【修正版】午前８時のシンデレラ
部長がちゃんと仕事をしてくれないと、各部署から私にクレームが来るのだ。
もっと部長としての自覚を持って欲しい。
これじゃあ、どっちが上司かわからないよ。
のほほんとしてるのはいいが、害にならない程度には仕事をして欲しい。
「東雲さん、冗談じゃなくて本当に異動になったんだよ。今朝急に決まってね。海外営業部はイケメン揃いだし、東雲さんにも近いうちに春がやってくるかなあ」
呑気に呟く部長に、堪忍袋の緒がブチっと切れた。
「部長、会社は結婚相談所じゃありません。馬鹿な事言ってないで仕事してください。給料泥棒って社長にまた言われますよ！」
部長を放置して仕事に集中しようとすると、部長は懲りずにまた邪魔をしてきた。
「東雲さん、お仕事の邪魔して悪いんだけど、あそこに海外営業部からお迎えが来てるんだよね」
私がピリピリしているのを察したのか、少し躊躇いがちに声をかける部長の視線の先には、海外営業部部長補佐の姿が見えた。
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