【修正版】午前8時のシンデレラ
冷房もつけていないのに会場の空気が一気に下がる。
ああ、魔王が本気で怒っている。
こうなってはきっと誰も止められない。
「一条さん?」 
西嶋さんの声は震えていた。
この状態の瑠偉さんを見たのは初めてなのだろう。
私もここまで怒っている彼は初めて見た。
「俺の地位がいいの?それともこの顔?」
瑠偉さんの言葉に、西嶋さんはあまり反応出来ずただ目で頷く。
だが、瑠偉さんは彼女の様子を見ながら続けた。
「そんなにこの顔がいいんだ?そう」
瑠偉さんは魔性の笑みを浮かべると、突然持っていたフォークで躊躇うことなく自分の頬に傷をつけた。
彼の行動にこの場にいた誰もが驚いた。
私も脳が麻痺して何が起こったのか把握できなかった。
「こんな傷ものの顔でも?くだらない」
瑠偉さんの頬から血が出る。
それを間近で見た西嶋さんはショックが大きかったのか、床にへたり込んだ。
「瑠偉さん、何やってるんですか!」
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