【修正版】午前8時のシンデレラ
「す、杉本くんには関係ない。手、離して!」
再度抵抗するが、彼は私を離さず顔を近づけた。 
「迷ってるなら僕にしませんか?研修の時からずっと好きだったんです」
突然の告白に頭が混乱し、身体が硬直する。
本気?それとも、私をからかってる?
「私は……」
そう口を開いた時だった。
世界で一番大好きな声が私を優しく包んだ。
「芽依」
瑠偉さんだ。
振り返ると彼は謎めいた微笑を浮かべ、私に向かって何かを投げたが、受け取ったのは杉本くんだった。
でも、お陰で私は杉本くんから解放された。
「ホテルに忘れたよね?」 
瑠偉さんは今の私の状況を知ってるにも関わらず、杉本くんのことには触れない。
だが、会社で私を下の名前で呼んだのは、杉本くんがいたからだと思う。
この目は何か企んでる。
「ホテル……」
杉本くんは思わぬ邪魔に呆気に取られたのか考え込むように呟く。
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