【修正版】午前8時のシンデレラ
瑠偉さんが真っ直ぐに杉本くんを見据えると、杉本くんはそんな瑠偉さんを睨みつけた。 
「邪魔しないでください。恋愛に上司も部下も関係ないですよ。僕は新人の時からずっと東雲さんが好きだったんです」
「じゃあ、なんでその時手に入れなかった?その程度の気持ちだったんだろ?」
瑠偉の言葉に杉本くんはカッとなって言い返した。
「僕があなたの立場なら躊躇うことなく手に入れてました!」
「立場って?いまお前が言ったよね?恋愛に上司とか後輩とか関係ない。その時行動しなかった時点で終わってるよ」
瑠偉さんの眼はとても冷ややかだった。
彼の言葉に杉本くんがギュッと唇を噛み、私に目を向ける。
「……東雲さんはいいんですか?一条さんでいいんですか?」
杉本くんに問われ、彼の目を見てはっきりと告げた。
「ごめんね、杉本くん。私、瑠偉さんが好きなの。不釣り合いかもしれないけど、自分でもこの気持ちどうにも出来ないの」
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