【修正版】午前8時のシンデレラ
見覚えのない方の鍵を瑠偉さんに見せたら、彼は優しく微笑んだ。
「うちの鍵」
こんな大事なもの、そんな軽々しく渡していいのだろうか?
「私が持ってて良いんですか?」
瑠偉さんに確認したら、彼は茶目っ気たっぷりに笑った。
「うちの子だろ?これ以上芽衣に避けられると凹むし、一緒に住んで欲しいんだけど」
それって……。
驚きで声が出なかった。
「プロポーズしてるんだけど。返事は?」
「私で本当に良いんですか?私……」
戸惑いながら彼に確認する。
「芽依だけ持ってうちにお嫁に来てくれればいい。他には何もいらない」
瑠偉さんは手を伸ばして愛おしげに私の頬に触れる。
彼の言葉に涙腺が緩んだ。
「瑠偉さんは勝手にいなくなったりしませんか?私をひとりにしませんか?」 
私も瑠偉さんの頬に触れる。
その頬の傷跡をそっとなぞると、彼は私の瞳を見て穏やかに微笑んだ。
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