【修正版】午前8時のシンデレラ
いい機会かと思い話を切り出すと、伯父さんは私に目を向けた。
「何かな?」
「母の遺骨を東雲家のお墓に入れてもらえないでしょうか?」
それはずっと私が願っていたこと。
母が東雲家のお墓に入れないのはかわいそうだ。
「親父には僕が話をする。大丈夫だよ」
私の目をしっかりと見て約束する伯父の言葉を聞いて嬉しかった。
これで母は東雲家に帰れるんだ。
お母さん、よかったね。
また涙が込み上げてきて、何度か瞬きして堪えた。
「じゃあ、お腹も空きましたし、食事始めましょうか。ここの飲茶美味しいですよ」
瑠偉さんがちょっと湿っぽくなった空気を変えようと声をかける。
「近いうちに両家の親族を集めてまた食事をしよう」
「伯父さん、瑠偉さん、ありがとう」
今夜、瑠偉さんにもアパートに来てもらって母の遺影に報告しよう。
指輪を見せたら母さん喜ぶかな?
王子の用意したサプライズは、私の心をとても幸せにするものだった。

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