【修正版】午前８時のシンデレラ
瑠偉さんみたいに怒ると冷気が漂うかもしれない。
「はい」
若干恐怖を感じながら答える。
「それなら問題ないわ」
詩織さんは笑って言ってるけど、目が怖い。
これはもう逆らえない。
待たせるのもNGだろう。
苦笑しながらすぐにパソコンの電源を落として、帰る準備をした。
ふたりで彼女が表に待たせていたタクシーに乗る。
車の中で詩織さんは、子供の頃の瑠偉さんの話をしてくれた。
学生の頃もかなりモテていたようで、バレンタインデーには大量のチョコを貰ったようだが全部他の男子学生にあげていたらしい。
本人いわく、中に何が入ってるかわからないから食べる気にもなれなかったとか。
確かに、手作りチョコとか何入れられてるかわからないよね。
モテていたけど、彼女がいた気配は感じなかったらしい。
意外だった。
瑠偉さんなら女性の扱いにも慣れてるし、絶対過去に何人も彼女がいたかと思っていたんだけど。
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