【修正版】午前8時のシンデレラ
昔の話なのに、詩織さんのその言葉にホッとする。
ちなみに、佐久間さんといつもつるんでいて、よく佐久間さんが一条家に遊びに来ていたらしい。
「ホント、芽依ちゃんには感謝してるの。芽依ちゃんと会わなきゃあの子、隼人ちゃんと一緒に別の世界に行ってたかもしれないわ」
クスクス笑いながら詩織さんは胸中を語る。
そんな彼女の話に苦笑い。
別の世界って想像したくないけどひょっとしてBLの世界のことですか?
詩織さん、変な妄想しすぎです。
一緒にされる佐久間さんもいい迷惑だろうな。
十五分程乗っていると、車はある有名なブライダルサロンの前に到着した。
「さあ、シンデレラタイムよ。結婚式と披露宴のドレス選びましょう」
優しく微笑む彼女と一緒にサロンの中に入ると、テレビでよく見るデザイナーさんが自ら出迎えてくれた。
人気の店なのにやはりお客さんは私たちしかない。
きっと詩織さんが予め予約していたのだろう。
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