【修正版】午前8時のシンデレラ
まだ身体が少し火照ってる。
「後でご褒美くれるよね?約束だよ」
瑠偉さんが悪魔の微笑を浮かべ、私の耳元で囁く。
彼の言葉に赤面した。
「もう、意地悪……」
ふくれっ面のまま車の助手席に乗り込む。
瑠偉さんがそんな私をなだめながら車を運転すると、十五分程で会社に着いた。
海外事業部のオフィスに入ると、佐久間さんがニヤニヤしながら私達を見た。
「入籍今日だったんだろう。おめでとう。打合せ、定時後になるかと予想してたんだが」
さすが瑠偉さんの親友。
佐久間さん、その読みはあながち外れてはいません。
瑠偉さんを知り尽くしている。
「じゃあ、今からでも遅くないかな?やっぱり家に帰ろうか?」
瑠偉さんは意味あり気に私の方を見た。
私をからかって楽しんでる!
「もう一条さん!ご褒美欲しかったら仕事して下さいね。私は社長室にちょっと挨拶しに行ってきます」
瑠偉さんの返事を待たずに社長室に向かう。
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