【修正版】午前8時のシンデレラ
東山さんの眼鏡がキラリと光った気がした。
「……償い?書類作成の手伝いとか?」
なんだか嫌な予感。 
「仕事の方は藤宮さんがいるので必要ないですよ」
「……じゃあ、どうやって?」
蛇に睨まれた蛙みたいに身体が動かない。
おかしな方向に話がいってる。
私が硬直していると、東山さんが私の顎に手をやって視線を無理矢理合わせてきた。
「キスしたらストレス解消になるかもしれません」
東山さんは冷笑する。
キスでストレス解消って何なのよ!
人を都合のいい道具扱いしないで欲しい。
「セ、セクハラです。それにもう私は一条の妻ですから!」
「人の物って余計欲しくなりますよね」
この人……人格崩壊してる。
なんだか鳥肌までたってきた。
この人完全におかしい。
どうすればいいの?
叫ぼうとするが声にならない。
怖い……。
目を見開いたまま恐怖に怯える。
「東山さん、僕の妻に手を出したら社会的に抹殺しますよ」
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