【修正版】午前8時のシンデレラ
彼女の首筋には俺がつけた痕がくっきり残っていた。
『……髪。そうだな今日は下ろしておいた方がいいかも』
そう言って、ちょっとした出来心で彼女の首筋に触れた。
彼女の震えが伝わってきた。
悪戯が過ぎたか?
また逃げられては困る。
俺は渋々彼女から離れた。
だが、彼女の首筋にくっきり残っているキスマークに、ひとまず安堵した。
他の男が彼女に近づけば、所有の証と思うだろう。
それでいい。
誰にも譲れない。
誰にも……。



いつの間にか眠っていたらしい。
不意に気配がして、咄嗟に彼女の手を掴んでしまった。
「痛い!」
彼女の叫び声で目が覚める。
「ごめん。寝ぼけてた」
そんなに強い力では掴んでいないはずだ。
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