【修正版】午前8時のシンデレラ
もちろん否定する隙も与えない。
自分の都合のいいように解釈して、彼女の膝に頭を乗せる。
彼女は俺が寝ぼけてると思ってる。
それでいい。
警戒心をもたれては困る。
弱い者に優しい彼女は、きっと寝かせてくれるだろう。
ただのソファよりは、やはりこの極上の枕の方がいい。 
心地よい温もりが、自分の身体の緊張をといてくれる。
このままずっと眠れたらいいのに。
目を閉じると、すぐに眠りが訪れた。
どれくらい眠っていたのだろう。
彼女の携帯のバイブが鳴っていた。
十五分前にアラームをセットしていたらしい。
だが、セットした本人は熟睡していて起きる気配がない。
気持ち良さそうに寝ている。
彼女の携帯のアラームを止め、彼女の顔を眺める。
ほぼすっぴんに近いが、眼鏡をしていても幼い感じがして可愛い。
ルージュも塗っていないナチュラルピンクの唇が俺を誘う。
< 192 / 275 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop