【修正版】午前8時のシンデレラ
寝てる本人には悪いと思ったが、こんな無防備に寝てる彼女が悪い。
顔を近づけて、彼女の唇にそっと口づけた。
「充電完了。ごちそうさま、芽依」
寝ている彼女ににこやかに微笑んだ。
彼女は覚えていないが、まあいい。
これから数え切れないくらいキスをするのだから。 
不思議と身体が軽い。
朝四時過ぎまで仕事してたのが嘘のようだ。
朝目覚めると彼女がいる。
そんな日常がこれから続けばいい。
シャワールームに向かう俺はかなりご機嫌だった。
会議でじじい共に何を言われても、笑顔で切り返せる自信がある。
キスの効果は凄い。



一ヶ月後ーー。
朝、役員室のあるフロアで姉とすれ違う。
ああ、そう言えば今日が初出勤だと言っていた。
真っ赤なスーツを着て、化粧も女優のように完璧。
< 193 / 275 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop