【修正版】午前8時のシンデレラ
それで芽衣のことを話したのだが、姉はまだ会ったことがないのに芽衣にかなり興味を持ったようで……。
「何企んでるか知らないけど、程々に。東雲芽依には手出し無用だよ」 
一応念を押すが、姉は俺の言うことを聞いた試しがない。 
母さんに似たのか、この人は無鉄砲で人の迷惑を考えないのだ。
全く困った人だ。
芽依に何か悪さをしなければいいが。
だが、そんな心配が現実のものとなった。
パーティでロシア大使と雑談をしていると、彼の娘が急にしだれかかって俺に身体を密着させてきた。
しつこい女だ。
男探しはよそでやって欲しい。
付けてる香水はきついし、いい迷惑だ。
早く離れたくて佐久間の姿を探していたら、視界の中に芽依が映った。
まさかいるとは思わなくて自分の目を疑ったが、俺が彼女を間違えるはずがない。
東雲芽依本人だ。
今、目の前にいる彼女はメガネをかけていなかった。
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