【修正版】午前8時のシンデレラ
「この腹黒さ。ホント、ムカつきます。いつか仕事で一条さん超えてみせますから」
杉本は凄くいい眼をしていた。
数年で奴はもっと成長するだろう。
スギモトフーズの後継者らしいし、敵に回すには怖い相手になりそうだ。
でも、俺は負けない。
「望むところだね。今の暴言は不問にするけど、プレゼン資料今日中に出してもらおうか。期待してる」
「わかりました。東雲さん、これ」
杉本は芽依に鍵を渡すと、自席に戻っていった。
後ろ姿が可哀想だったが、譲る訳にはいかないのだから仕方がない。
「瑠偉さん、この鍵は?」 
芽依は俺の家の鍵の方を見て首を傾げる。
「うちの鍵」
微笑みながら芽依を見る。
「私が持ってて良いんですか?」
「うちの子だろ?これ以上芽衣に避けられると凹むし、一緒に住んで欲しいんだけど」
芽依には温かい家をあげたい。
俺が育った自慢の家で、彼女も幸せにしたい。
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