【修正版】午前8時のシンデレラ
16、お母さんと一緒にお嫁においで ー 瑠偉side
「結婚式の日取りはもう決まったのか?」
打合せそっちのけで社長である叔父が聞いてきた。
「ホテルの会場早めに押さえたいなら、私の名前を使ってくれて構わないよ」
叔父夫婦には子供がいない。
だから何かと俺に構ってくる。
「東雲君にはご両親もいないみたいだし大変だろ。手が足りないならうちの貸そうか?」 
叔父は俺の結婚が嬉しいのかご機嫌だ。
見合いも全部断ってきたし、俺が結婚するのを半分諦めていたのかもしれない。
「叔母さんも忙しいでしょうからいいですよ」
にっこり笑って丁重に断る。 
叔母のことは好きだが、かなりのうっかりさんだ。
ただでさえあの破天荒な母と姉がいるのだ。
これ以上かき回されたくはない。
「叔父さま、大丈夫ですわ。私と母がいますから。何も心配は入りません」
姉が笑顔でトレーに乗せたコーヒーをテーブルに置く。
この人の笑顔が逆に心配だ。
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