【修正版】午前8時のシンデレラ
「社長夫人は君の前の前の秘書だったが、まあ、君が入社する前の話だしね。でも、君も社長秘書なら知っておいた方がいい」
これでこいつとの話も終わりだ。
叔母がうっかりさんでミスが多く社長秘書を一週間で辞めたという事実は、東山には教えてやらない。
席を立つと姉がまた話しかけてきた。
「一条部長、母が近々単身帰国するみたいよ」
「本当か?」
昨日電話で話した時は、そんなこと一言も言ってなかった。
「その様子じゃあ初耳だったようね」
「親父置いて何しに日本に戻って来るつもりなんだ、あの人は?」
母は気まぐれで突然帰国することが年に何度もある。
急に『笹屋』のくず饅頭が食べたくなったとか、新しい浴衣が欲しくなったとか、どうでもいい理由でだ。
「決まってるでしょう?未来の嫁に会いたくて仕方ないのよ」
俺を見て姉はニヤリ。
ああ、芽衣ね。
杉本の乱が終わったと思えば、今度は母か……。
これでこいつとの話も終わりだ。
叔母がうっかりさんでミスが多く社長秘書を一週間で辞めたという事実は、東山には教えてやらない。
席を立つと姉がまた話しかけてきた。
「一条部長、母が近々単身帰国するみたいよ」
「本当か?」
昨日電話で話した時は、そんなこと一言も言ってなかった。
「その様子じゃあ初耳だったようね」
「親父置いて何しに日本に戻って来るつもりなんだ、あの人は?」
母は気まぐれで突然帰国することが年に何度もある。
急に『笹屋』のくず饅頭が食べたくなったとか、新しい浴衣が欲しくなったとか、どうでもいい理由でだ。
「決まってるでしょう?未来の嫁に会いたくて仕方ないのよ」
俺を見て姉はニヤリ。
ああ、芽衣ね。
杉本の乱が終わったと思えば、今度は母か……。