【修正版】午前８時のシンデレラ
思わず溜め息が出る。
一難去ってまた一難。
頭が痛い。
おまけに東山はまだ俺を睨んでるし……。
なんだかいろんな意味で嵐の予感。

その日の夜の東雲社長との会食後、俺と芽依はタクシーで彼女のアパートに来ていた。
木造の二階建ての建物。
ドラマで見るようなちょっと古い外観。
てっきり階段を登って二階に行くのかと思えば、彼女は一階の奥の部屋までスタスタ歩き、ドアの前に立って鍵を開けた。
一階という事にまずギョッとした。
女の子なのに防犯上問題あるだろう。
おまけに街灯も少なくて、周囲は暗い。
それに、アパートにモニターもついていない。
何かあったらどうする？
今まで何もなかったのが奇跡だ。
聞けば大学の時からここに住んでいるらしい。
「社会人になってから引っ越そうとは思わなかったの？」
外資系企業までとは言わないが、うちの会社は事務職でも手取り三十万円前後はもらえるはずだ。
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