【修正版】午前8時のシンデレラ
「芽依」
あの夜は知らなかった彼女の名前。
ただ口にするだけで愛が溢れてくる。
「愛してる」
愛する人が側にいて、すぐに抱き締められるという喜び。
それがどんなに大切な事か。
今の俺は知っている。
明日の朝は一緒に目覚めて、また一緒に恋に落ちよう。
一年経っても、十年経っても、この恋に終わりはない。



区役所に婚姻届を提出して出社すると、佐久間がニヤニヤしながら俺達を出迎えた。
「入籍今日だったんだろう。おめでとう。打合せ、定時後になるかと予想してたんだが」
佐久間の言葉に、芽依は顔を赤くして黙り込む。
そんな可愛い反応をされると、ますますからかいたくなる。
そんな風に思ってしまう俺は、本当に意地悪な男なのかもしれない。
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