【修正版】午前8時のシンデレラ
俺の話に杉本は真剣な顔で頷いた。
「わかりました。東雲さんが退社するとなると寂しくなりますね。引き継ぎはどうします?」
「詳しい事は佐久間に聞いて。庶務担当の子には東雲さんが教える。そのうち佐久間と杉本に俺の仕事をスイッチしてくから、覚悟しておいて。夜は会食でほとんどプライベートの時間はなくなる」
誇張ではなく事実を伝えたら、杉本が同情するような眼差しで俺と佐久間を見た。
「一条さんと佐久間さんて、意外と地味な生活してたんですね」
「……お前、スギモトフーズ戻る?」
お前だって、これからその仲間入りをするわけだけど。
絶対零度の目で杉本に冷ややかに告げれば、こいつは降参と言わんばかりに両手を挙げた。
「このくらい良いじゃないですか。一条さんは今一番幸せ者なんですから。それより東雲さんはどこですか?東雲さんにもお祝いの言葉を言いたいんですが」
「東雲さんは、今さっき社長室……あっ、ヤバイ」
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