【修正版】午前8時のシンデレラ
だが、こいつも社長秘書なら、これ以上俺達にちょっかい出したらどうなるかわかるはずだ。
それがわからないような馬鹿なら、社長秘書としての資格もない。  
数分間睨み合っていると、東山が観念したのかようやく口を開いた。
「一条部長は怖いですね。冗談ですよ。からかっただけです」
軽く溜め息をつき冷めた口調で言うと、東山はスタスタと歩き去る。 
「冗談にしては笑えない。次はないですよ」
俺は怒りを抑えながら、東山に釘を刺した。
彼がいなくなると、芽依は気が抜けたのか俺の背中にもたれかかってきた。
「はあー、もう駄目かと思った」
「入籍初日に何やってんの?もうちょっと男に警戒心を持つように。東山のあの眼は本気だった」
 芽依を怖がらせてはいけないが、奴は本気で彼女を襲うつもりだった。
「ごめんなさい。でも、どうしてここに来たの?」
「ちょっと気になって……。ついでだから一緒に社長に報告しよう」
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