【修正版】午前8時のシンデレラ
俺の心を盗んだ本人は、そんな事にも気づかずちょっとはにかみながら俺を見つめる。
ちょっと潤んだ瞳。
その瞳に出会ってからずっと捕らわれたままの俺は、彼女を見て心から微笑んだ。
芽依が俺のところまで来ると、彼女の耳元で優しく囁いた。
「キレイだよ」
俺の言葉に芽依の頬はピンクに色づく。
可愛い。
彼女の顔も、仕草も、何もかも。
もう彼女は俺のものだ。
いや、自分の半身かもしれない。
彼女のいない世界はずっと白黒のままで、俺にとって何の意味もない。
きっと一生彼女に飽きることはないだろう。
誓いのキスは、招待客が俺達を見て妬くくらい見せつけるようなキスをした。
柔らかくて温かい唇に触れると、彼女が緊張でちょっと震えているのがわかった。
芽依は人前でのキスが苦手だ。
「……意地悪」
彼女が俺に向かってポツリと呟く。
そういう反応をされると、もっと溺れるようなキスをしたくなる。
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