【修正版】午前8時のシンデレラ
だが、ここは我慢して笑みを浮かべながら、ベールガールの女の子たちが薔薇の花びらを撒く様子を見守った。
天使のように可愛い女の子たち。
自分と芽依にこんな可愛い女の子が生まれたら……と想像するだけで幸せな気持ちになる。
溺愛しすぎて仕事を全部佐久間に任せてしまうかもしれない。
ひとりの女の子が近づいてきて、満面の笑みで俺にも花びらを撒く。
綺麗な花びらの中で輝いて見えるその笑顔。
その女の子の笑顔がなんとなく芽依のと重なった。
ただの俺の妄想か、それとも……。
俺の願望かもしれない。
そして、二回目。
古城でのパーティ。
打ち上げ花火のサプライズに誰もが驚いた。
母の企画にしては芽依も喜んでたし、素直に良かったと思う。
芽依と並んで花火を眺めていると、彼女が笑って言った。
「キレイね。こんな結婚式忘れられない。詩織さんに後でお礼言わなきゃ」
「文句じゃなくて?」
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