【修正版】午前8時のシンデレラ
「じゃあ、バッグは?ロッカールーム?」
「いいえ、ロッカールームは今は使ってないので自席にあります」
一条さんの秘書になったから嫌がらせが怖くてロッカールームが使えないなんて言えない。
パソコンの電源を落としてバッグを持つと、杏樹さんはスマホを出してどこかに電話をかけていた。
「車を表に待たせてあるの。行くわよ」
杏樹さんが素早く携帯をしまって私の手を引く。
高いヒールの靴を履いているにも関わらず、彼女は歩くのが早い。
私は小走りで杏樹さんについて行く。
「行くってどこにですか?」
杏樹さんのペースに付いていけない。
彼女は一条さんがいないのを承知で来たんじゃないだろうか。
だとしたら何のために?
「ロシア大使館に決まってるでしょう?アシスタントをやるならいろいろ経験を積まないといけないわよ」
杏樹さんの言葉に立ち止まる。
何を言い出すんだ、この人は。
行ける訳がない。
「いいえ、ロッカールームは今は使ってないので自席にあります」
一条さんの秘書になったから嫌がらせが怖くてロッカールームが使えないなんて言えない。
パソコンの電源を落としてバッグを持つと、杏樹さんはスマホを出してどこかに電話をかけていた。
「車を表に待たせてあるの。行くわよ」
杏樹さんが素早く携帯をしまって私の手を引く。
高いヒールの靴を履いているにも関わらず、彼女は歩くのが早い。
私は小走りで杏樹さんについて行く。
「行くってどこにですか?」
杏樹さんのペースに付いていけない。
彼女は一条さんがいないのを承知で来たんじゃないだろうか。
だとしたら何のために?
「ロシア大使館に決まってるでしょう?アシスタントをやるならいろいろ経験を積まないといけないわよ」
杏樹さんの言葉に立ち止まる。
何を言い出すんだ、この人は。
行ける訳がない。