【修正版】午前8時のシンデレラ
彼が目を覚まさなければ、自分のような行きずりの女の事などすぐに忘れるに違いない。
彼にとってはきっと遊びだ。
お酒を飲んでテンションが高くなってたとはいえ、なんて事しちゃったんだろう。
まさに後悔先に立たずだ。
自分が愛されたなんて勘違いしてはいけない。
彼は私の名前さえ知らないのだから。
少し悲しいけど、幸せな夢を見たと思えばいい。
私のような平凡な女には過ぎた夢。
身体の節々の痛みは彼に昨日愛された証だけど、そんなものはきっとすぐに消える。
今何時なの?
キョロキョロと時計を探すと、ベッドサイドに置いてある時計は午前五時三分となっていた。
大変!
今日は月曜日。会社がある。
自分の腰に絡まる彼の腕をそっと外してベッドを降り、脱ぎ捨てた服を広い集めてバスルームに飛び込む。
素早く着替えて、目に食い込んだコンタクトレンズを外すと、バッグをあさった。
ない、ない!
眼鏡、なんですぐ出てこないの!
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