【修正版】午前8時のシンデレラ
「美味しい」と素直に感想を口にすると、メアリさんはとても喜んでくれた。
「メアリ、ありがとう。後は俺達でするからもう下がってくれていいよ」
メアリさんの用意してくれた食事を堪能していると、瑠偉さんが私のグラスにまたワインを注いでくれた。
その音が凄く大きく感じる。
ドクンドクンとグラスに注がれるワインの音は、今の私の心臓の音のようだ。
「エドとメアリはもう離れに下がったから」
聞けば同じ敷地内に離れがあるらしい。 
もうここいるのは瑠偉さんと私のふたりだけ。
どうしよう緊張してきた。
グラスを持ってちびちびと口に運ぶ。
意識し過ぎて瑠偉さんの顔が見れない。
そんな私の様子を見て彼が私の名前を呼んだ。
「芽依」
低くて甘いその美声。
思わず捕らわれ、瑠偉さんの顔を見る。
美しい魔物がそこにいた。
「……瑠偉さん」
もう逃げる事は出来ない。
身体中の血が沸騰するくらい身体が熱い。
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