【修正版】午前8時のシンデレラ
彼は蒸しタオルで丁寧に私の身体を拭くと、私にパジャマを着せてくれた。
パジャマは家に置いてあった杏樹さんのを拝借したらしい。
ああ、薔薇のいい香りがする。
もうされるがままだ。
そのまま瑠偉さんに抱き上げられ、客室らしいところのベッドの上に下ろされた。
「ちょっと狭いベッドになるけど、俺のベッドはシーツが濡れちゃったから我慢して」
瑠偉さんの言葉に目で頷く。
なんだか声を出すのも億劫になってきた。
「熱、三十九度三分。これは辛いよね」
体温計を持った彼が眉をしかめる。
三十九度と聞いてますますぐったりする。
熱いはずだ。
自分ではもう動くのが難しい。
それから、瑠偉さんは手際良く私の世話をしてくれた。
用意してくれた氷枕がとても気持ちいい。
でも熱が落ち着いてきたら、今度は身体中悪寒がして震え出した。
「寒いの?」
私の様子を見て瑠偉さんが毛布をかけ、そのベッドに一緒に入る。
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