檸檬が欲しい


 

その後鳴瀬くんを探しつつ、他の人も誘ってみたが最初は聞く耳を持ってくれた人も藤宮さんの名前を出すと申し訳なさそうに去ってしまった。







「鳴瀬くん!これ担任から補修プリント。
課題出さないと留年になるかもしれないよ。」


鳴瀬くんを見つけたのは第二校舎の屋上だった。







あ、また傷が増えてる。

初めて会った時に付けてた下唇の絆創膏は無くなったが、右手の甲から手首にかけて包帯が巻かれてる。

更に左頬には大きな湿布が貼られている。
  
その他にも絆創膏を付けてないだけで切り傷が幾つかあるのが見える。





こんなにボロボロになってまで君は一体何をしているんだ。







「オメェお節介だな。」



雑用係呼びされて、次はお節介?!

元と言えば全部君たちのせいなのに。




でもこれで鳴瀬くんにも渡せたし、あと藤宮さんのみ。

藤宮さんどうしよー??



一先ず鳴瀬くんに藤宮さんのお宅がある町を聞いてみよう。


多分相手にされないだろうけど。


< 33 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop