檸檬が欲しい
もう相手にしてられないと思い金髪の青年に御辞儀だけして桜の木へ向かう。





「あんな不幸なものの何処が良いんだよ。」




横切るとき囁き声が聞こえたような気がした。
いや、囁くと言うより捻り出す声だったかもしれない。







耳を疑いたくなるぐらい先程の爽やかな雰囲気からは想像できない嘆きだった。
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