*・.・* 時間旅行 *・.・*
「よぅ!
初の担任………頑張れよ。」
生徒達に現地解散を伝えて、職員室に帰ろうとした俺に
ポンと肩を叩いて話しかけて来た。
「おぅ。
そっちは?」
俺と違い、成績優秀者だった澤は
兄の影響もあり、早くから教職を目指して勉学に励んでいたため
俺より一年早く担任になっていた。
「今年は一年生だから気が楽だ。
去年は、大学受験の進路指導もあって
禿げそうだったけどな。
相談と愚痴に付き合ってもらったお礼に
今年は俺が付き合うから……遠慮せず連絡しろよ。
大変そうだろう?
……………例の彼女も受け持ったみたいだし…………。」
澤が指す『彼女』とは、もちろん藤堂夏生の事だ。
そこはあえて、小声で話す。
「う~ん……………。
やっぱり、大変なのかなぁ~??
さっき初めて見た印象は、何処にでもいる生徒だったぞ。
クラスにも自然に溶け込んでて。
強いて言うなら………美人過ぎてドキッとした位かなぁ~
なんて、教師が言うことじゃないけどな。」って笑うと………
「お前らしいな。
だから、任されたのかもな。
…………っと。
噂をすればだぞ…………。」
そう言って、肘でつつかれ澤の目線に合わせて首を動かせば。
視線の先に、藤堂がいた。
「…………あの………。
ちょっと良いですか?」
遠慮がちだが、物怖じしない性格らしい彼女は
俺達に近づいて来た。
「あぁ~
悪い悪い。」
ちょうど今、噂をしていた俺としては
なんとなく気まずい気がして。
悪くもないのに、謝ってしまう。
「じゃあ、澤。
またな!
近いうちに連絡する。」
そう言って、彼女の方を再び見る。
……………本当に、美人だよなぁ~
ハゲ親父の理事長の血を引いてるようには見えないよな。
教師らしからぬ感想を抱きつつ
「進路指導室と教室………どっちが良い?」と聞いてみると
「進路指導室で。」と返ってきた。
…………と言うことは、プライベートな相談だな。
「了解!
だったら、部屋を使う許可と鍵をもらって行くから。
先に行っててくれるか?」
まだ中学生だが
何かあってからでは取り返しがつかないからと。
ウチの学校では進路指導室に隠しカメラがついている。
音声は入らないから、相談内容は守られているけど………。
いささかやり過ぎな気もするが
保護者、生徒と教師に許可をえているから仕方ない。
初の担任………頑張れよ。」
生徒達に現地解散を伝えて、職員室に帰ろうとした俺に
ポンと肩を叩いて話しかけて来た。
「おぅ。
そっちは?」
俺と違い、成績優秀者だった澤は
兄の影響もあり、早くから教職を目指して勉学に励んでいたため
俺より一年早く担任になっていた。
「今年は一年生だから気が楽だ。
去年は、大学受験の進路指導もあって
禿げそうだったけどな。
相談と愚痴に付き合ってもらったお礼に
今年は俺が付き合うから……遠慮せず連絡しろよ。
大変そうだろう?
……………例の彼女も受け持ったみたいだし…………。」
澤が指す『彼女』とは、もちろん藤堂夏生の事だ。
そこはあえて、小声で話す。
「う~ん……………。
やっぱり、大変なのかなぁ~??
さっき初めて見た印象は、何処にでもいる生徒だったぞ。
クラスにも自然に溶け込んでて。
強いて言うなら………美人過ぎてドキッとした位かなぁ~
なんて、教師が言うことじゃないけどな。」って笑うと………
「お前らしいな。
だから、任されたのかもな。
…………っと。
噂をすればだぞ…………。」
そう言って、肘でつつかれ澤の目線に合わせて首を動かせば。
視線の先に、藤堂がいた。
「…………あの………。
ちょっと良いですか?」
遠慮がちだが、物怖じしない性格らしい彼女は
俺達に近づいて来た。
「あぁ~
悪い悪い。」
ちょうど今、噂をしていた俺としては
なんとなく気まずい気がして。
悪くもないのに、謝ってしまう。
「じゃあ、澤。
またな!
近いうちに連絡する。」
そう言って、彼女の方を再び見る。
……………本当に、美人だよなぁ~
ハゲ親父の理事長の血を引いてるようには見えないよな。
教師らしからぬ感想を抱きつつ
「進路指導室と教室………どっちが良い?」と聞いてみると
「進路指導室で。」と返ってきた。
…………と言うことは、プライベートな相談だな。
「了解!
だったら、部屋を使う許可と鍵をもらって行くから。
先に行っててくれるか?」
まだ中学生だが
何かあってからでは取り返しがつかないからと。
ウチの学校では進路指導室に隠しカメラがついている。
音声は入らないから、相談内容は守られているけど………。
いささかやり過ぎな気もするが
保護者、生徒と教師に許可をえているから仕方ない。