38歳バツイチ♀、医大生と付き合ってみた。(い)

「柴咲さん…?」



「あ…暁くん
コレ…カギ返そうと思って…」



仕事帰りに

暁くんのアパートに寄った



いると思ったのに

いなくて

1時間ぐらいかな



ドアの前で待ってた



帰って来ないかも知れないのに…



「ずっとそこにいたんですか?」



「うん、そんなずっとでもないけど…」



「こんなに手冷たいのに?」



ドキン…



暁くんが

私の指先を触って言った



「もともと冷え症だし…」



「中、入って…」



「でも…」



「オレに会いたいから
待っててくれたんでしょ

会いたくなければ
ポストに入れて帰ればいいのに…」



うん…

そーかも



きっと

会いたかった

キミに



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