新」世界で唯一のヒーラーは生殺与奪を握っている。復讐の物語り
ギルド会館一階フロアには冒険者の待機所と酒場、それから受付カウンターがある。その受付カウンターに姿勢正しく座りセミロングの黒髪で端正な顔立ちをした女性の姿があった。コルクボードに張り出された依頼を冒険者達がカウンターに持っていき、テキパキと書類の処理をする。まさに出来る女性といった感じだ。荒くれ者の多い冒険者達の相手をしながらも臆する素振りも見せず、声を荒げる者に対しても表情を一つとして変えない。事務的に正確に仕事をこなしている。その女性の表情がすこしだけ変わる。眉を寄せてしかめ面を浮かべていた。
女性の機嫌をそこねたのは冒険者達の暴言の数々であった。
それらの暴言は今しがたギルド会館に着いたアリシアに向けたものだ。
屈強な男達が酒瓶を片手に誹謗する。強欲な奴。生殺与奪を握っているからとへりくだると思うな。世界で唯一だから何?ヒールよりも火力のがありがてぇなどといった悪口がギルド会館を包み込みんでいった。
女性の機嫌をそこねたのは冒険者達の暴言の数々であった。
それらの暴言は今しがたギルド会館に着いたアリシアに向けたものだ。
屈強な男達が酒瓶を片手に誹謗する。強欲な奴。生殺与奪を握っているからとへりくだると思うな。世界で唯一だから何?ヒールよりも火力のがありがてぇなどといった悪口がギルド会館を包み込みんでいった。